令和2年度防衛白書を読んだ時に
「世界最強のハリネズミへ」
というワードが浮かびました。
防衛予算と自衛官の不足が深刻な現状は
「20年間に及ぶデフレからの脱却」
「40年前から指摘があった少子化問題」
を克服できなかった結果なので一気に好転することは無いと思います。
防衛白書を読んだ限りですが私は
・世界の中で今後の日本の優位性はあるのだろうか
・このさき日本は独立と自由を守っていくことは大丈夫なのだろうか
と感じました。
中国が世界一流の軍隊を目指しているということを知り、軍民一体と経済力をバックにスピード感ある開発と執拗な手法から見ても、これから尖閣諸島はじめ日本の領域全体を守ることはいよいよ難しくなりそうです。
軍事予算と兵器保有数および開発を比べて日本の比ではないことも具体的によくわかりました。
中国の王毅首相が来日した際、「尖閣諸島は中国の領土」と堂々主張したニュースを見ました。SNSやメディアでも日本政府が弱腰だと非難されていましたが、日本がすぐ言い返せないほどの経済力と武力を持っていると思います。
また中国のみならずロシアの執拗な領空侵犯や北朝鮮の日本に向けたミサイル配備の現状を見ても、精度の高いレーダーの強化は絶対に必要だと思います。ところがイージスアショアの設置が中止になりました。
これだけミサイルを突きつけられ領海領空侵犯をされている現実を、国民はまったく知らないわけでも無いと思うのですが、イージスアショア設置中止になった経緯に強い危機感を抱きました。
石油、石炭など日本のエネルギーの船舶運搬の安全確保と宇宙、電磁波、サイバーの防衛の重要性ぐらいは理解しておかなくてはならないと痛感いたしました。
また自然災害や疫病対策も、自衛隊は絶対に必要です。ただ派遣の範囲が拡がっていくことは、本来「防衛」の任務や訓練に支障がでて自衛官の負担が増えていくことが少し気になります。
また自衛官の獲得にはどうしても「陸海空」の武力イメージが強いため、新しく強化する分野である「宇宙、電磁波、サイバー」に有効な人材の獲得に向けて工夫が必要だと思います。
そういえば私の周りには
・日本の領域に何かあれば、アメリカが代わりに戦ってくれる
・中国をはじめ他国家は格下である
・エネルギーは当たり前に入手できる
と思い込んでいる大人は少なくありません。
「日本が平和」ということはとても良いことだと思いますが、日本の諸問題を自力で解決する気が無いと諸外国から見られているのではないか、と心配です。
日米同盟や国際安全保障協力への継続努力ははもちろん重要ですが、これでは日本そのものが自国防衛体制の足を引っ張っているような形に見えます。
最近「はやぶさ2」が二度目の小惑星探査を成功させました。少ない予算で町工場から大手企業エンジニアまでを巻き込んでプロジェクトを成功させた日本の底力に驚きました。日本の官民一体の「底力」はまだまだ可能性があると思います。
日本の現状は経済力や人口構成など過去の延長線上にありません。昭和の初めの人口は6400万人、平成の初めは1億2000万人、現状1億2000万人横ばい、これからの日本は人口が減っていきますのであらゆる分野で少数精鋭化に切り替わっていきます。それだけに今後の政治の判断はとても重要です。選挙の投票率ももっと上がることを祈っています。
そのためにも他国の軍事が容易に手出しができない「専守防衛」の精度を高めることが必須です。
世界中の国民誰もが武力衝突など望んでいないと思いますし、日本も先の戦争で灰になった経験があります。
これから官民一体で武力衝突のためではない、平和のための「孤高な世界最強のハリネズミ」を実現して、日本がゲームチェンジャーになれることを心底お祈り申し上げます。
そして自衛隊の皆様、日頃のご活躍に感謝申し上げます